要求書

吉田寮自治会

要求書

加藤幹太 学生部長殿

1月14日付で貴殿より回答を得ましたが、我々に納得できる内容ではありませんでした。そもそも「在寮期限」は寮生の同意を得て決められたものでもなく、「在寮期限」設定の理由については、建て替えを必要とする「老朽化」のみによるものと多くの学生部長・評議員から確認されています1。1986年3月末日の「在寮期限」の到来は、我々にとって重大な生活保障の問題です。学生部長が上の回答書において窓口としている学生部委員会第3小委員会に対しても吉田寮自治会は重ねて意向を伝えて来ました。それはすなわち、「在寮期限」に関する寮生の生活の保障と、現在の建物を建て替えるにあたっての吉田寮自治会との話し合いの開催についてです。しかし、学生部長は現在に到るまで、これらについて一向に具体化していません。なかんづく吉田寮の建て替えに先だっての埋蔵文化財調査の実施を考えねばならないこの時期において、我々は貴殿に再度以下の点について良識ある回答を求めるものです。

  1. 「在寮期限」到来後も吉田寮自治会の合意なしに強制的な手段によって寮の機能を停止しないこと。また今後、新寮に関する全ての事柄について吉田寮自治会との話し合いを続けること。

  2. 現吉田寮生全員が新寮に移行できること。

我々が建て替えに際しての埋蔵文化財調査自体に反対しているのではないことはこれまでと変わるものではありません。上記二点の要求に関して保証が得られるならば、我々吉田寮自治会は埋蔵文化財調査を妨害する意志はありません。新寮建設計画を円滑に進めるために貴殿の責任として前向きな回答を求めるものです。

1985年5月6日 吉田寮自治会

編集部による注釈

1月9日付の吉田寮自治会による要求書(本資料集に収録)に対する1月14日付けの加藤幹太学生部長による回答(京大学厚寮第51号 昭和60年1月14日、京都大学学生部長 加藤幹太、本資料集に収録)を受けて吉田寮自治会から学生部長に宛てて送付された要求書。この後、7月4日の「「在寮期限」粉砕!新自治寮獲得!全学集会」(主催:吉田寮自治会・熊野寮自治会・室町寮自治会)での3項目要求署名(巻末の用語一覧を参照のこと)の提出をうけて、学生部長より7月9日付で回答(京大学厚寮第20号 昭和60年7月9日、京都大学学生部長 加藤幹太、本資料集に収録)が吉田寮自治会委員長宛に送付された。


  1. 1983年の1月から2月にかけて行われた全学団交戦での確約のこと。