要求書

吉田寮自治会

要求書

学生部長  河合 隼雄 殿

我々吉田寮自治会は、本年度6月13日付けで、貴殿に対し、2項目要求書

  1. 吉田寮に関することはすべて寮自治会をはじめとする学生と話し合え。吉田寮の合意なき一方的な決定をするな。
  2. 入退寮権をはじめとする寮自治会の諸権利を侵害するな。

を堤出し回答を求めた。そして全学的に展開した署名運動によって900名もの署名が集まったのは、既知の通りである。

しかるに、貴殿はこれに対し何らの回答も示さないばかりか、京大当局―学生部は、吉田寮西寮Ⅳ棟の取り壊しを一方的に決定し強行しようとした。特に、話し合いを要求する寮生・学生を暴力的に排除しようとした姿勢は、2項目要求署名を全く無視するものであり、我々はこれを糾弾する。

我々は「在寮期限」以降も寮自主管理の根幹として、自主入寮募集選考を続けてきた。吉田寮には現在もなお150名もの寮生が住んでいる。しかし、学生部は’86年2月、一方的に「入寮募集停止」措置を決定し’86年度以降の入寮者を「認めない」としている。

我々との意見の対立を無視して一方的に事を進めることは許さない。Ⅳ棟撤去時に、学生部第三小委員会委員長が書き、貴殿が承諾した「話し合いの議題も含めて、寮に関することはすべて寮自治会と話し合い合意の上で決定する」という確約からいっても学生部長として貴殿は我々と継続的に話し合うのが当然である。

’79年以降歴代学生部長は、話し合いの条件として、人数・時間制限をつけていたが、2項目要求署名900名の重みを鑑みれば、現寮機能の維持や入退寮権をはじめとする我々の寮自主管理について、全学の前で納得のいくかたちで話し合いが行われるべきである。

我々吉田寮自治会は貴殿に対し、「寮自治会を含めた学生との公開の場での話し合い」を要求する。

この要求に対して10月13日までに回答されたし。

1988年10月7日吉田寮自治会

編集部による註釈

本分にもあるとおり、1988年10月7日付で河合隼雄学生部長に対し吉田寮自治会が提出した要求書。大衆的には、同日付のビラ「学生部長団交戦取!/河合隼雄を全学の前に引きずり出せ!」(吉田寮自治会)に収録されて明らかにされた。河合隼雄学生部長は期日である13日を過ぎても回答せず、これに対し吉田寮自治会は10月27日付で「警告文」(本資料集収録)を提出した。